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〜vo5:そごうの工事現場〜

そごうの工事現場

地下鉄心斎橋の駅をあがったところの白幕で囲まれたそごう百貨店の工事現場。そこに、黒く、でっかく、がっしりした文字で書かれた「言葉」が並んでいるのにお気づきでしょうか? これ、れっきとしたアート作品群なんです。「人生思い通り。」
「幸せは目の前。」
「できることは山ほどある。」
「青春待ったなし。」
等々

なんだか座右の銘にしたくなるようなフレーズの数々。作者は現代美術の旗手「イチハラヒロコ」というアーティスト。独特の鋭いセンスで「ひねりのはいった言葉」をたくみにビジュアル化します。そこのあなた、通りすがりに、
「おねがい週3」
「俺なら5回」とかって、心の中で一人つっこんでません? そう。さすがイチハラ、われらが関西人の<ぼけとつっこみ>心を刺激してくれるインタラクティブアートなのです。

同時に心にズーンと染み入る? ことばの数々。

「この人ゴミを押しわけて、はやく来やがれ、王子さま。」
「良縁望む。」
「やる気ないし休みます。」

ひとりで健気に頑張る女の子が無意識にふっともらした宙にさまよう「ため息」を、網でキャッチして、視覚化したような印象です。限りなくシンプル、でも力強くって、意表をつきながらもすごく的を得ている。なんだか気になってしかたないのは、深層心理にひっかかっていた言葉だからでしょうか。

彼女の作品は広告業界でおなじみのモリサワ書体という骨太で、シンプルな"MB101"で表現されているのが特徴とか。
「自分のことは棚にあげよう。」
「あなたに会えてやだった。」
など、ちょっとブラックなユーモアがすてき!「万引きしたる」って書かれた大きな紙袋を持って買い物する客の写真には、笑ってしまいました。
ランゲージアートという新境地に挑む「イチハラヒロコ」は、コカコーラとの「No Reason Art Project 2001」、「八丁堀の駐車場」、「秋葉原のTV」など話題を呼んだ国内での数々のプロジェクトとともに、海外アーティストとのコラボレーションをオランダでも行うなど、世界にも発信して好評をえているそうです。

イチハラさんは、元々京都出身で、近頃、ちょくちょく関西系のTVや雑誌でお目にかかるので「あ、知ってる」という方も多いかもしれませんね。3月に心斎橋KPOキリンプラザ大阪で行われたトークショウには大勢のファンが押し寄せたとか。(あー行きたかった!!)はたまた先日、変身アートで有名な森村泰昌さんの「ナルンダ国物語」にだんな様とのユニットで「ジョンとヨーコ」になってドーンと出演しておられましたのには、いや、びっくりしました。拍手パチパチ・・・・(朝日新聞の夕刊2004年4月15日付けをご覧下さい)彼女のユーモアのセンスはつきぬけています。

また、忘れてならないのは「恋みくじ」なるもの。神社と共同でプロデュースしたギャグと本音が炸裂する(?)おみくじで、熱狂的なファンが、「恋みくじ」をひくために全国から引きもきらずにお参りにやってくるのです。
「悪いけどこの恋は逃がさん。」
そのひとつ大阪府松原市にある布忍神社では話題の「恋守り」と「恋みくじ」がゲットできます。神社のHPの掲示板には、満願お礼のメッセージがいっぱい。とってもご利益があるんだかとか・・・。南船場の難波神社あたりにも「イチハラおみくじ」出没しないでしょうかね?! 

「そごうの工事現場」は大好評で、写真をとりに来る人が絶えないらしく、そんなファンの熱いご要望にこたえ撤去を延長したそうです。2004年の7月までは「拝めます」とのことなので皆様一度、遊びに行ってみてくださいねー。
執筆/構成:あおきるり
 
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